「全日本トライアスロン皆生大会」錐体内出血で男性医師溺死 !
こんばんは~ 篠原です。
皆さまはトライアスロンという競技はやったことが
ありますか ?
私はゴルフの男性のお友達が、やる人がいて、色々話を
聞いたりはしていますが、過酷な競技だと思っていて、
かなり体力に自信のある人じゃないと、競技には参加できない
と思っています。
「第35回全日本トライアスロン皆生大会」
に出場していた、愛知県一宮市の医師で56歳の男性が、
うつぶせに浮いているのを、カヌーで巡視していた
大会ボランティアが見つけました。
米子市皆生温泉沖約300メートルの日本海で見つけられました。
男性は同大会の個人の部に出場して、第1種目の水泳の部
(3キロ)で、2キロ以上泳いだ時点で溺れたと見られています。
大会関係者に引き上げられて、米子市内の病院に運ばれましたが
死亡が確認されました。
それとは別に、やはり19日の出来事で、山形県の海水浴場で
トライアスロン大会に出場していた、こちらもやはり医師で
48歳の男性が、うつぶせで浮かんでいるのを発見され
大会スタッフが救助して、病院に運びましたが、2時間後に
搬送先の病院で死亡が確認されています。
2人の男性医師はトライアスロンに参加するほどですから、
水泳も達者だったはずです。そのような人が溺れるということが
ちょっと信じられないのですが・・・
★泳ぎが得意な人でも溺れる理由
健康上、何の問題もなく、泳ぎの得意な人でも溺水
してしまう原因があると、東京都監察医務院に勤務経験の
ある上野正彦医師が著書で指摘しています。
その著書とは『人はこんなことで死んでしまうのか』の
中で、溺死体の解剖から、溺死者の50~60%に
「錐体内出血」
が見られることに気付いたと言っています。
★錐体内出血とは ?
何らかの理由で鼻から水を吸い込み、その水がエウスタキオ管
(耳管、ダイビングや飛行機などで悪さする耳と中耳の間の管)
に入ってしまって管をふさぎ、その栓があごの筋肉の動きや外耳
からの水圧で中耳の空洞部分の圧力に異常を引き起こします。
その結果中耳や内耳を取り囲んでいる錐体で内出血が起こり、
その中心にある三半規管の機能が低下して自分が立っているのが
宙吊りになっているのか、わからないぐらい平衡感覚が失われます。
=めまいが起きます。
健康上何の問題もなく、泳ぎの得意な人が溺れる原因としては、
これが主要な原因です。
溺水に先立って、錐体内出血による急性平衡失調が起こって
いるのです。
これは、呼吸のタイミングを誤るなど何らかの原因で、鼻と中耳
を結ぶ耳管という細い管の中に水が入ることによって、水の栓が
でき、それに引き続いて起こる水の嚥下運動などにより、水の栓
がピストン運動を起こし、又外耳からの水圧などの影響を受けて、
毛細血管が破綻して錐体内出血を起こします。
そのため、錐体の内部にある三半規管は、急性循環不全を
きたして、機能が低下して平衡失調、つまりめまいが表れます。
そのため、泳ぎが上手でも背の立つ浅瀬でも、平衡感覚が失われ
、溺れてしまうのです。
錐体内出血の予防と起こった場合の対策
①風邪気味の場合(鼻腔・耳管・咽喉頭・気道の粘膜に炎症があると
耳管から鼓室に水が入りやすい)
②耳鼻咽喉科に疾患のある場合
③飲酒酩酊時(酩酊時には神経系統の総合的反応鈍麻があり、
耳管から水が入りやすいし、また急性循環不全を生じやすい)
以上の状態のときは水泳をしないこと。
④水泳中は口から吸って、鼻から出すように呼吸すること
(鼻から水を吸い上げると耳管から鼓室に水が入りやすく、
錐体内出血を起こす危険がある)
⑤外耳道に耳栓をするより、鼻栓の方が有効
(鼓膜があるから外耳道から水は中耳には入らないので
耳栓の必要はない。鼻から吸った水が耳管から鼓室に入り、
錐体内出血を起こす危険がある)
⑥鼻口部より誤って水を吸い、気分が悪くなった場合は、
直ちに水泳を中止して、水から出ること。
錐体内出血そのものは、致命的なものではなく、めまいが
起こるだけで意識がなくなることもありません。
めまいはしばらく続きますが、1~2週間で出血は吸収され、
めまい、平衡失調は徐々に回復します。
その時にパニック状態になったり、泳ぎ続けようとするために、
うまく呼吸ができずに溺水による窒息を引き起こしてしまう
ということです。
読んで頂きありがとうございます。
失礼いたします。 篠原香代